「負けた試合から学ぶことが重要だ」Leffen来日インタビューin Red Bull Studios Tokyo Hall
こんにちは。めがねです。
今回はこのブログに特別なゲストが来てくれています。
【人物紹介】
William "Leffen" Hjelte
北欧のスウェーデンを拠点とするスマブラDXのトッププレイヤー。Team SoloMid&Red Bull所属。スマブラ界では有名なヒーラー。Armadaに次ぐ世界No.2のフォックス使いとして知られており、大国アメリカでも突出した知名度を誇る。また「スマブラ五神」と呼ばれるDX最強プレイヤー群を次々と葬り去っていることから、世界では「神殺しのLeffen」の異名で恐れられている。詳細は⇒Leffen | 格ゲープレイヤーWiki
【インタビュー】
それじゃあ早速はじめましょうか。はじめまして…と言いたいところですけれど、東京ゲームバーで一度お会いしましたね。あの時はどうもありがとう。ゲームバーでの対戦会は楽しんでもらえました?
えぇとても。リラックスできたしみんな親切だったから楽しかったよ。
それならよかったです。今回日本には観光目的で来てくれたみたいだけど、どんなところへ行きましたか?
もともと東京にきて日本中を観光しよう!とかそういうつもりではなくて、ゆっくりしにきたつもりかな。渋谷を拠点にして原宿に2回、東京ゲームバーに行くために秋葉原へ1回とそのあと秋葉原にもう1回行ったよ。明日は新宿と池袋に行く予定かな。
そうなんですね。せっかくゆっくりしに来たところ申し訳ないけど、今日は日本のDXコミュニティにいるLeffenファンのために根掘り葉掘り聞くのでよろしくね。
もちろんいいよ!
じゃあまず最初の質問。何故LeffenというHNなの?
あれはもともと自分で付けたHNじゃなくて、ワークラフトとかでデフォルトにあった名前をそのまま使ってるんだ。スマブラXのWi-Fi対戦とかでも使ってた。響きも面白いしシンプルで使いやすいから今でもそのまま使ってるよ。
あなたがスマブラDXをはじめたキッカケを教えてください。何歳から始めました?
はじめたのは確か16歳くらいかな。2009年くらい。当時はスマブラXのWi-Fi対戦とかプレイしてたんだ。初めて行ったオフ会でスマブラXの用意がまだされていなくて、他の人が取りに行ってくれてたんだ。取りに行ってる間にあるひとりに「スマブラDXあるけどやらない?」って話しかけられて、緊張してたのもあったし返事する間もなくプレイしてた。20分くらい遊んでたんだけど、すごく面白くてXの準備ができた時には緊張して言えなかったけどこのままずっとプレイしていたいって気持ちになってた。それがきっかけで自分でスマブラDXの一式を揃えてプレイをはじめたんだ。
はじめた当初お手本となったプレイヤーとか、今でも尊敬しているようなプレイヤーはいますか?
特別誰って人はいないかな。MangoとかPPMDとか参考にしたプレイヤーはたくさんいるけどね。はじめたばかりの時は身近にいた強い人たちから色んなことを学んでいったよ。誰かひとりというよりはその時期の自分より強い人からひたすら吸収していったからそういったプレイヤーはいないかな。
じゃあそれとは別に対戦していて楽しいと感じるプレイヤーは?
基本的に勝つのがわかっている相手と対戦するのはそんなにワクワクはしないかな。挑戦になるような相手と対戦するのが好き。そういった意味でMangoやPPMD、Mew2kingやHungryBoxとかと対戦するのは好きで、毎回対戦するたびに自分が用意した策と違うこと?をやってくるし強い人と対戦するのは楽しいよ。
なるほどね。スマブラプレイヤーといえばコントローラーには皆こだわりがあるけれど、コントローラーはどのくらいの頻度で変えていますか?今使っているのは何個目?
突然壊れたりしなければ半年から1年は使うよ。今のコントローラーが何個目なのかはちょっとわからないかな。昔ちょっとね…コントローラーを大事にしなかった時期もあったし...でも、良いコントローラー見つけたら手に馴染ませてからさっき言ったようなスパンで使ってるよ。
今までで一番印象に残ってる試合やコンボはありますか?
一番覚えてるのは16歳の時に初めて遠征した海外大会GenesisでMangoがルーザーズランしてTajに4タテした時のコンボが印象に残ってるよ。(Genesis 2: SLF, Mango vs Taj - YouTube)初めて遠征したのもあったし、観衆の盛り上がりもすごかったからね。僕自身のはMLG2014でPPMD相手に空中上のコンボで運んだときかな。(PPMD vs Leffen Pool Play MLGAnaheim - YouTube)他の大会でいろいろ成績は残したりしたけど個人的に印象に残ってるのはそのコンボかな。CEO2015なんかも初めて優勝した大会だったし印象的だよね。
今のBIG6と呼ばれる地位を築くにあたってこれまで多くの苦難があったと思うんです。どのような苦労がありましたか?また、どのようにそれらを克服してきましたか?※BIG6とはスマブラDX5神にLeffenを加えた次世代の総称のこと
まず、負けた試合から学ぶことが重要だって考えが自分の中であるんだ。負けた試合を研究して次に繋げる。BIG6と呼ばれる選手の何がすごいかというと、継続して勝てているところなんだよね。BIG6は負けた試合から必ず何かを学ぶ。一回上手くいってもそれが継続できずに調子が下がってしまう選手はよくいる。勝ち続けるというのは本当に難しくて、それは僕自身も苦労しているよ。そして継続して勝つためには失敗から学ぶこと。試合を通じて自分のポテンシャルを理解する。それを自分で分析して限界なのか考えて常に物事を吸収する姿勢を続けるのが大切だと思ってる。SFATとかBIG6には入ってはいないけど強いプレイヤーなんかは、学ぶことができてるしより上位にいける素質はあるよね。
失敗から学ぶということはスマブラに限らずどんなことでも当てはめられそうですよね。いつかArmadaもあなたと同じことを言っていました。そうだ!ArmadaといえばあなたはArmadaのピーチに対してすごく勝率が高いけれど、それは何か技術的な対策方法を知っているの?それともやり慣れていたからメンタル面でリラックスできたとか?
※過去記事参照→【インタビュー】Armada選手へのインタビュー翻訳【SmashSummit2015】 - Melee Destruction
これだ!っていう秘策は特になくて、自分の立ち位置が恵まれているからというのはあるかな。同じ国内同士で僕は2番手としてのポジションで、Armadaは倒す目標だったし...研究したりしてきた背景もあって結果的に勝率が高くなっている感じかなあ。
環境面というのは確かに大きいかもしれませんね。ここだけの話、自分だけが知っている5神の弱点とかってありますか?Mew2kingはここが弱いとか、自分だからこそ見抜ける5神のウィークポイントみたいな。また、あなた自身の弱点もあれば教えてください。
まず僕は完璧主義者で少し怒りっぽいっていう性格があるんだけれど、それが上手く影響する場合としない場合がある。そこをバランスよくコントロールすることができるようになることが当面の目標。2016年なんかは遠征しすぎて練習に時間をさけなかった。計画的に行動できなかったことが自分の弱点。
5神についていえば...性格からくる弱点というのはあると思っている。人間誰しも完璧じゃない。キャラ相性の得意不得意だったり性格だったり、そういう小さな弱点が対戦していてわかる部分はあるかな。
じゃあ次、あなたの性格を簡単に教えてください。
正直すぎるところはあるかな。他人に何かを指摘するとき正直に言い過ぎて不快に思われてしまったり、それの延長でヒールみたいな役を作り上げられることもあるよね。
昔、5神同士の対談で“スマブラDXはその人の性格がプレイに表れる”といっていたけれど、さっき言ったような性格はあなた自身のフォックスに表現されていると思いますか?
※過去記事参照→【インタビュー】スマブラDXの5神が語る“Mew2king”とは - Melee Destruction
相手が「この状況でこれはしないだろう」っていう予想を裏切ったプレイをするところはまぁある意味自分の性格が出てるね(笑)
スマブラDXは何歳まで続けるつもりですか?
最前線のプロとして何歳まで遊べるかはわからないけど70歳になってもどれだけ歳をとっても続けるつもりだよ。やっぱりスマブラDXの存在は自分の中で大切な位置にあるゲームだし、きっと死ぬ直前までプレイしてると思う。
じゃあもしそのスマブラDXと出会っていなかったらどんな道を歩んでいたと思います?
う~ん。もしかしたらエンジニアや法律家を目指す過程もあったかもしれないけど、9-5時で机に座って働くというのが今の生活を経験してしまうと想像がつかないよね。今の生活は充実していて良いものだと思っているしね。
ありがとうございます。ところで今回はガールフレンドも同席していますね。今会場にいるみたいですけど、せっかくだから彼女も呼んで少しお話をお聞きしましょうか。
Leffenのようなトッププレイヤーのガールフレンドとして苦労することは何かありますか?
私自身も格闘ゲームをやっているので彼が練習に熱心なことに理解はあるけど、たまに遠征で1か月くらいいなかったり、帰ってきても練習ばかりしてたりして…うんって感じ(笑)
スマブラDXが原因で喧嘩したことは?
夜中、私が寝てるときににネット対戦とかしていて、いいコンボが決まった時とかに叫んでるから「ちょとうるさい」みたいのはあったけど大きな喧嘩は特にないわ(笑)
スウェーデンでもゲームしてるってのはあまり良いイメージがなくて「いいんじゃない?」と言ってはくれるけど、完全に理解してくれる人はなかなか少ない。でも彼女も格闘ゲームやっているから理解があるのでそういう意味ではすごく良い関係だよね(笑)
なるほどね…。どうぞそのままお幸せにって感じです。とほほ。
あ、そういえば元モデルって本当ですか?どこにいけばモデルとしてのLeffenを見られます?インターネット?それとも雑誌?
いやいや(笑)やってないよ(笑)
え、うそ!?日本のプレイヤーはたぶん皆あなたのことをモデルだと信じていますよ(笑)思い返せばどこからの情報かわからないけれど、疑わずに信じ込ませるほどの説得力があなたにはあるので僕もすっかり信じていました...。
たまにかっこいい写真が上がるけど、あれはほぼRedBullに関係した写真なんだ。
そうだったんですね。今日一番の衝撃でした...。
気を取り直してどんどん質問していきましょう。あまり時間もありませんからね。皆が知らない意外なところってありますか?例えばちょと泣きやすいとか。
昔はそうでもなかったけど、最近は今まで食べなかったような食べ物でも挑戦して食べてみたり...子供のころはすぐ泣くタイプだったかもね。あとは…スポーツがそんなに好きじゃないんだ。似通ったルールで違いがよくわからなかったし、興味が湧かなかったから見ていて面白くなかったよ。でも今は自分も競技者になったしよく見るようになったかな。強いて挙げるならそのくらい。
九死に一生を得るような経験をしたことは?
ん~。学生のころちょっとだけ入院したことがあるくらいでそんな危険な体験は特にないかな(笑)車もあまり運転しないし危険なスポーツをやっているわけでもないし、人生セーフに生きてるよ。
セーフに生きてる、ですか。じゃああなたのヒールキャラってのは本当の性格ではない?あくまで作られたキャラクター?
それに関しては自分で作ったキャラじゃなく周りの人たちに作り上げられ部分はあるよね。でも、僕は僕で正直すぎる部分もあるからそこらへんは相まってる感じかな(笑)
質問もいよいよ大詰めです。日本のファンに是非ひと言お願いします。
東京ゲームバーで少しだけだけど対戦できたし歓迎してくれてありがとう。僕も彼女も日本へ来てとても楽しかったからまた来ると思う。スマブラを続けてる限りまた会えるさ。
スマブラDXはあなたの人生を変えてくれましたか?
スマブラDXを通じて人として成長できた。僕の人生に影響を与えてくれたのは間違いない。ゲームを始める前は日常が憂鬱で楽しくない人生だったけど、スマブラDXはそこから解放してくれた。自分の思った通りにキャラクターが動いてくれるこのゲームは自分を表現できるし、負けたところから学ぶことがあったり僕の人生にたくさんのものをくれたよ。
ありがとうございます。もっと聞きたいことはたくさんあるけれど、時間の都合もあるし次が最後の質問です。これだけはどうしてもあなたに会って、直接…聞きたかった。正直に答えてほしい…
スマブラプレイヤーの中で誰が一番イケメンだと思う?
一同:爆笑
なんて質問だよ(笑)きっとみんなは俺って言ってほしいんだろ?(笑)でも、それは置いといて今のポジションを誰かに取られるのは気に入らないというか…あまりほかの人を誉めたくないから、俺って答えておくよ。(笑)
最高。
【おわりに】
今月13日から23日までの約10日間日本に滞在していたLeffen。プライベートでもあるにも関わらず東京ゲームバーでのイベントや今回の取材など日本のスマブラDXコミュニティのために快く時間を割いてくれた彼の姿は、インタビューアーとしてだけでなくひとりのファンとしてより応援していきたいという気持ちにさせてくれた。私は彼が今後もプレイヤーとして素晴らしいキャリアを歩んでくれることを期待しながらこの記事を終わりにしたい。
【製作協力】
インタビューアー:めがね (@mgn_melee) | Twitter
通訳:わっち(watch) (@watch_ssbm) | Twitter
カメラマン:tomohiro suzuki
Instagramはこちら:カメラマンPGTS (@photographer.ts17) • Instagram photos and videos
※12/25加筆修正
おわり