女の子の部屋に遊びに行ったらスマブラDXが置いてあった話

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スマブラのガチ勢である皆さんは、日常におけるスマブラトラップ」に出くわしたことはありませんか?例えば、会社で先輩がスマブラの話をしていた、教室で別のグループが大会の話をして盛り上がっていた等々、日常において我々コアユーザーが何気なくスマブラと出会ってしまう機会は珍しくありません。

 

この前に至っては雰囲気溢れるバーに行ったらスマブラSPの曲が延々と流れていて、ひとりウメブラ会場にいるような錯覚に陥っていたりと、僕はそれらの出来事を「スマブラトラップ」と勝手に呼んでいます。

 

これはそんな僕が遭遇した約1年前のスマブラトラップの話なんですけど、僕は偶然にもひとり暮らししている女の子の部屋に遊びに行く機会がありました。

 

 

彼女との出会いにスマブラは一切関係なく、彼女にはただのゲーム好きとしか公言していません。

 

部屋にお邪魔して近況を報告しあったり他愛ない世間話をして笑いあったりと何気ない時間を過ごしてました。

 

「何も無くてごめんね」

 

なんて苦笑いしながらお茶を出してくれたのでそれを飲んでたんですけど、彼女が思い出したかのように言ったんです。

 

「あ、でもあれならあるよ。大乱闘(笑)」

 

時が止まりました。2秒、いや体感で3秒。

 

あやうく静止した時の世界に入門しかねない勢いで静止したんですけど、ただひとつ理解できたのは

 

 

 

スマブラDXガチ勢の俺は今、試されている」

 

 

 

ということ

 

平然を装い「へえーそうなんだ。新しい、WiiUのやつとかかな?」

 

と聞くと

 

「ううんゲームキューブの」

 

 

こっちがね、静止した時の世界に入門した矢先に、また、時を止めてしまいましたよ。

 

なんですか?入門した矢先に習得ですか?免許皆伝ですか?原付の免許より、簡単じゃない?

 

「元カレとたまに遊んでたんだ。当時はかなりやりこんでたよ。もう半年くらいやってないけど(笑)」

 

ほーう、やりこんでいた、ですか。

 

そのゲームを約10年近くやり込み遠征で古今東西駆けずり回ったこの俺に対して「やりこんでいた」ですか。

 

ここは何?オフ会場?彼女との会話の語尾に「#スマブラDX_オフ会」のハッシュタグが付いてたの見逃してた?

 

もしかしてクローゼットからドッキリの札もったVGBC|aMSaとか出てくる?????

 

「久々にやろうよ」

 

久々に?今朝やってたのに??今朝トレーニングモードでコンボ決めてアヘアヘと悦に浸りながらここにきたのに???

 

互いの前提条件に相違があるようだけど、そこの確認はしなくていいのかな?

 

そもそも俺、パンピーの女の子とDXやったこと、なくね?

 

キャラは何使うのかな?カービィとか、ピーチとか、ピカチュウとか、かわいいの使うのかな??

 

キャプテンファルコンがいい~!」

 

老若男女カジュアルユーザーからコアユーザーまで様々なニーズに応えられるよう配慮した桜井正博の気遣いを、ガン無視かな?

 

もっとかわいいの使うのかと思ったと言いながらしっかりとシークを被せていた俺はその日世界で1番性格が悪かったと思う。

 

やっぱりガチ勢として負ける訳にはいかないし?負ける訳ないけど、予防線的な?ね???

 

というよりそもそも、タイマンじゃ、なくね?

 

手癖でそのまま試合を始めるとこだったけど、CPUを二人だして乱闘に

 

まあ始まってしまえば実力は可愛いもので横Bを連打してきたりファルコンキックから横Bを打ってきたり

 

 

横Bガード読み回避を読んで横Bを連打してきたり

横Bのずらしを考慮して着地したとこを横Bしてきたり

横Bによる横Bのための横Bによる横B。

怒涛の横B。

 

 

最初は笑いながらプレイしていたんですけど1回だけしゃがみから掴んで何回か投げループしましたマジでごめんなさい

 

「ほらそこ!」「おしい!」とか言い合いながら和気藹々とプレイしてたんですけど、邪な思いが浮かぶんですよ

 

 

「本気出したらどうなるんだ?」

 

 

いーーーやいやいやいやいやいやいや

 

本気出してオタクムーブをしようものなら場が冷めることは普段会社で空気を読まず定時退社する俺でも、わかる。

 

欲しいのは手段を問わず手にした勝利という結果ではなく、協調性を重視した過程から生まれるその後の一体感だ。

 

今回ばかりは過程や方法などどうでも、よくない。

 

でも流石に彼女に本気を出さずとも、CPU相手ならいいんじゃないか?何よりパンピーの女の子にガチ勢の動きを見せたらどうなるんだ????イケメンは顔が前戯っていうよな???俺たちはエッジキャンセルが前戯なのか???

 

考えだしたら好奇心が、止まらない。

 

この抑えきれない内なる衝動が気付けば俺を鬼の形相にしていた。

 

理性とスマブラプレイヤーの意地が心内で複雑に絡み合ったすね毛の濃い男性がひとり、真剣な眼差しでコントローラーを握っている。

 

「残るは敵ひとりだよ!頑張って!」

 

ふふふ、よかろう。

 

鼓膜を破るほどのステック音、ボタンがめり込むほどの連打音を聞かせてやろうじゃないか。社会人も6年目になり、足の指にも立派に毛が生えたこの純然たるこの大人が、本気でプレイしようじゃないか。

 

このCスティックの消耗具合は、数時間後のお前の乳首のメタファーだったのだ。

 

 

 

 

―――さあ来いCPU、今朝の続きをしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

皆さんは、運動会で全力疾走するお父さんたちを見て引いたことはないだろうか?

私は、そのあまりに必死すぎる顔に子供ながらドン引きした記憶がある。

 

「え、すごい端に追いやってるね...ひどい...。」

 

本気を出した私に投げかけた彼女の言葉が、走馬灯のように運動会の記憶を思い出させた。

 

 

 

おわり

 

 

【追記】この記事の経緯

 

 

 

【書いた人】

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